第142章 俺の兄貴は福田一星

それにしても、あの男――太ってて、頭も悪そう。所詮は家の運と、「福田家」という看板だけでここに入り込んでるだけだ。

太田咲雪は反射的に、南坂海乃も野口颯汰の口利きでここへ来た人間なのだと思い込んだ。

「いいよ。じゃあ今夜、また続きな」

福田社長の脂ぎった視線が、彼女の胸元にべっとり張りつく。昨夜の痺れるような感触を思い出した瞬間、下腹の熱が勝手に昂ぶっていき――今この場で押し倒してしまいたい衝動に駆られた。

太田咲雪の胸中に嫌悪はさらに積もる。だが顔には甘い笑みを貼り付け、耳元へ囁いた。

「福田社長、あと三十分で共有会が始まります。ひとつ、お願いしてもいい?」

「私、あの女とちょ...

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